住宅プランナー 竹内 善信さん 2019年度建築設計工学科(現:家創り実践科)卒業

住宅プランナー
竹内 善信さん
2019年度建築設計工学科(現:家創り実践科)卒業

アルスホーム株式会社
設計課

Q.建築の道に進んだ理由は?
A.ものづくりや工作がもともと好きだったこともありますが、高校3年の進路選択の時、理系の中でも建築分野は将来の仕事のイメージが想像できたというのがあります。その頃はただ漠然と「設計をやってみたい」という思いでした。
Q.フェリカを選んだ決め手は?
A.4年制だからしっかりできること、中でも「家創り」が魅力的でした。建築の学習は分厚い専門書を読むような難解なものを想像していたけれど、実際の中身はとても学びやすい授業でした。興味を持って入った分野なので、高校までの勉強以上に前向きに取り組めたと思います。
Q.地元を離れて群馬に来てどうでしたか?
A.地方出身の自分としては馴染みやすく安心感があり住みやすかったです。ただ群馬は乾燥していて肌荒れが大変でした(笑)。
Q.学生時代に経験した「家創りプロジェクト」について振り返ってください。
A.始まった当初、プラン出しの段階では自分のアイデアや何かしらの爪痕を残したいと思ってやっていました。プランを考えるのは楽しいですが、本当の家創りはそこからでしたね。講義で学んだことを実務でどう利用するか、法規・構造・材料等の知識を具体的にアウトプットすること(こうやって使うのか!)を学んでいきました。部材一つとっても何かよく分かっていなかったものを、実際に図面を描き現場で実物を見ることで、その意味や役割が頭の中で整理されていった感じです。実務としての先生方の話はついていくのに必死で、知らないことがまだまだたくさんあることを思い知らされました。
Q.チームの雰囲気は?
A.一つの方向に向かっている仲間と過ごした時間は楽しかったですね。このプロジェクトは、チームでやることに大きな意義があると思います。自分のことだけ考えていては上手くいかないこともあります。調べ物や製図作業を分担する代わりに成果をみんなで共有することで、一人でやる何倍かのものを得られたと思います。
Q.プロジェクトを経験して何か変わりましたか?
A.プロジェクトを経験する前と後では課題の取り組み方が変わったと思います。一般的な設計課題は仮想の設定なので、法規もおざなりにしがち(計画を進める上での重要度が低かった)でしたが、きちんと押さえるようになりました(笑)。実務では法規に違反していたら建てられない訳ですから当たり前なんですが。それで卒業設計では就職後の仕事を視野に入れ、改めて住宅設計を選択しました。家創りプロジェクトで経験したことを復習しながら自分の中に落とし込んでいくことをしたかったんです。
Q.ところで就職は地元でと最初から決めていたんですか?
A.はい、群馬で4年間学んだ後には、富山に帰って就職することは決めていました。卒業後、地元企業のアルスホーム株式会社に就職しました。就職活動の際、最終の社長面接では持参した図面をとても評価していただいて、会社に入ってからもこの力を伸ばしていってほしいと言われました。学生時代にやってきたことが報われた感じがしましたね。おかげで無事就職することができました。
Q.現在の仕事内容は?
A.うちの会社では入社後数年は設計部で実施設計の部署に配属されることになっていまして、そこで会社独自の仕様や考え方を覚えていく感じです。
Q.学生時代に学んだことや経験したことが仕事に活きていますか?
A.一度家創りを経験しているという強みが自分の自信になっていたと思います。驚いたのは描く図面量の違いですかね?学校では理解するためにより多くの図面を描きましたから。最近は後輩に教えることもありますが、構造の伏図の見方など普通の大卒の人は勉強してこないですよね?会社に入って突き当たる法規と構造の壁と言いますか。その点、自分が学生時代に特別な経験をさせてもらったということがわかりました。
Q.現在の仕事のやりがいはどこにありますか?
A.自分の仕事はプランナーさんと打ち合わせした内容を具体的な詳細図面に描き起こすことです。そのときのヒントになるのは学生のときに描いた実施図面で、たまに見返しても結構役立っています。小さなことでも自分の提案が採用されれば嬉しいですし、その積み重ねで会社に貢献できると思っています。会社としての理想の形をどうやって作っていくかが今の私の課題です。将来はプランナーとしてお客様と打ち合わせをして設計することも挑戦してみたいと思っています。
Q.高校生の時思い描いていた職業と、実際の建築の仕事は同じですか?
A.いい意味で乖離しています。設計のイメージは漠然と紙と鉛筆でできるものと思っていました。実務を経験して、自分が図面を描いて携わったものが形になって建ち上がる感動は言葉にできない嬉しさがあります。そこが想像を超えていました。
Q.後輩にどんなアドバイスをおくりますか?
A.自分の学生時代を振り返れば、いろいろなことをする時間があったのにと反省するところもあります。学生のうちに意欲的に建物を見る、たくさんのものを見て目を肥やすことが将来に活きると思います。実施設計ならではの、細部の見え方や納め方など真剣に考えることもその一つです。当時は知識も追いつかなかったけれど、側に教えてくれる先生方もたくさんいたからこそもっと勉強できたかなと思います。
Q.フェリカで学んで良かったと思いますか?
A.はい。フェリカを選択して、仕事に就いて改めて、後悔のない正しい選択だったと実感します。入社の時点で家創りの経験があるところから気持ちよくスタートを踏み出せたので、自然と2歩目3歩目もスムーズに前に進むことができたと思っています。今まで辛い思いもなく来られているのはフェリカで学んだおかげだと思います。(笑)
Q.お世話になった先生に何を伝えたいですか?
A.建築のことはもちろん、時事やいろいろなことをお話していただいたことに感謝します。当時はすべてを深く理解できていなかったけれど、私も仕事をするようになって先生の言葉の意味や重みが今ようやくわかってきた感じです。社会経験を積んで早く先生と建築談義ができるようになりたいです。

(インタビュー:2021年12月)

アルスホーム展示場外観

アルスホーム展示場内観

アルスホーム株式会社富山本社前にて

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